わたし、求職者支援訓練(無料)で日本語教師(専任)になりました。

日本語教師になる

ハローワークの職業訓練に「日本語教師」がある!

日本語教師が足りない!

新聞やニュースで「留学生が増えている!日本語教師が足りない!」といったことが連日報道されています。今は日本語教師になりやすい時代なのでしょう。日本語教師の先輩方は「むかしは非常勤講師1名の募集に何十人もの応募があって、その1名の枠をベテラン教師がかっさらっていくのだから新人にはチャンスすらなかった」と遠い目をして思い出を語ってくれました。日本語教師の待遇などさまざまな問題はあるにしても、「日本語教師として働けるチャンス」なのです。ここでは、このブログに興味をもって日本語教師を目指しているみなさんに、日本語教師になる方法のひとつ「求職者支援訓練制度を利用する」ことについて紹介します。じつは、わたしもこの制度を利用して日本語教師になったんです。体験談もふまえていろいろとご紹介いたします。

日本語教師として働くには?

最近の報道では公的な日本語教師資格を創設しようという動きがあります。しかし、これは今後の話です。2019年現在「日本語教師として働く条件」は以下の3つのいずれかを満たす必要があります。

①4大卒以上で420時間以上の日本語教師養成講座修了者または修了予定者
②日本語教育能力検定試験合格
③大学以上の教育機関にて日本語主専攻または副専攻修了者

ちなみに、この①②③は実際の日本語学校がだしている募集条件を抜粋したものです。②の日本語教育能力検定試験は年1回、10月ごろに実施される試験です。この試験については2点だけ覚えておいてください。

  • 合格していると時給アップなど、待遇が良くなることがある。
  • この試験に合格しているだけでは、「教える能力」は評価されない。

この試験に合格した方がいい理由は「待遇が良くなる点」です。しかし、実際に教壇に立って授業ができるかどうかとなるとこの試験に合格しただけでは評価されません。わたし自身、採用する側で模擬授業を何度も見てきましたが、やはり即戦力で教壇に立ってくれる先生が欲しいのです。ですからどうしても、「①420時間以上の日本語教師養成講座修了者」や、「③大学以上の教育機関にて日本語主専攻または副専攻修了者」など、実技をしっかり学んだ人が欲しいのです。

※わたしは養成講座を受講しながら検定試験に合格しました。面接の際にそれを評価してもらいましたので+αとしては十分役に立つ資格です。試験対策についてはまた別の機会に。

さて、今回紹介する求職者支援訓練制度の日本語教師養成科を修了することで、「①420時間以上の日本語教師養成講座修了者」の条件を満たすことができます。

※以前は「短大卒」でも可という学校がありましたし、一緒に働いている方も短大卒でした。しかし、最近は「4大卒以上」という条件も満たす必要がありますから、注意してください。

どんな講座なの?

期間は6か月
基本は無料。教科書代などが1万5000円程度
民間の日本語学校などに委託

期間

まず、期間は6カ月程度です。授業はだいたい月~金で、約半日(9:00~15:30など)。講座によってカレンダーが決まっていますので、必ず土日祝日が休みだとは限りません。

費用

最大の魅力受講料が安いこと。授業料自体は無料です。ただし、教科書代など受講者が負担する金額1万5000円程度が必要になります。それでも民間の養成講座では70万円ぐらいするところもありますから、激安です。この1万5000円の中には教材費などが含まれています。ですから、今後日本語教師という仕事で使用することになる道具「教科書・参考書」もはじめからついてくると思えばお得!としか言いようがありません。求職者支援訓練制度に感謝です。

無料なのに有料の養成講座と質がさほど変わりません。というよりも、求職者支援訓練という制度での日本語教師養成講座ですのでしっかりしています。行政という他者の目がしっかり入っていますからね。

もし購入する教科書に↓の本がない場合はとても役に立ちますので購入をおすすめします。

 

迷っているようでしたら、まず有料の養成講座のホームページをチェックしてみてください。そしていったい授業料がいくら必要になるのか確認してください。もう、その金額を見るだけでやる気がでると思います。

場所

委託された民間の日本語学校などで勉強することになります。わたしは英会話学校が業務委託された日本語教師養成講座を受講したので、模擬授業のさいに学生役をしてくれる外国人がみつからず養成講座の教員があたふたしていました。「えっ?わたしの模擬授業ちゃんとできるの!?」と、わたしもあたふたしました。その点、民間の日本語学校では学生がすでにいますから、安心できます。この春にメロス言語学院の養成講座を受講した友人がいたので様子を聞いてみると、「ちゃんとしていた」とのこと。うらやましいです。人数も15人ですから多すぎず、ちょうどよい雰囲気だったとのこと。わたしのときは20人程だったので学習環境はよくなっていますね。無料とはいえ求職者支援訓練制度の質が向上しているのでしょう。

応募しよう!

①ハローワークで相談 →②見学 →③応募 →④面接 →⑤合格 →⑥受講

①ハローワークで相談する

とても大切なことです。必ずハローワークに行って相談してください。講座の内容は毎回変わります。去年と同じだと勝手に思い込むと半年単位でスケジュールが狂います。ハローワークの担当者が詳しく説明してくれますので、億劫にならず必ずハローワークへ足を運んでください。職員の方が「いついつごろ詳細がでますよ」など親切に対応してくれます。雇用保険受給者であるなしに関わらず職員に相談しましょう。まず相談することからスタートします。

※ハローワークの職員が講座の面接をするわけではありませんので、心配する必要はありません。ただし、日本語教師以外に進む道はありませんという態度でハローワークの職員と接することが必要です。変に他の道を進められたくはありませんからね。

 
過去の訓練詳細はここで検索することができます。
①都道府県にチェックを入れ、
②募集状況にもチェックを入れ、
③一番したのフリーワード検索に「日本語教師」と入力して「検索」ボタンを押せば詳細が閲覧できます。

訓練を実施している教育機関の例です
学校法人香川学園 メロス言語学院 求職者支援訓練日本語講師養成科
過去のコースの情報はこちら
メロス言語学院は東京池袋にある日本語学校です。養成講座も開講しています。
学校法人朝日学園 東京明生日本語学院
過去のコースの情報はこちら
東京明生日本語学院は東京都墨田区にあります。
学校法人江副学園 新宿日本語学校
過去のコースの情報はこちら
新宿日本語学校は新宿区高田馬場にあります。

②施設見学に参加する

多くの場合、応募前に施設見学を義務付けています。義務ではない場合も必ず参加しましょう。ちなみに講座の面接官は、見学している学校の方です。ですから見学のさいは常識ある態度を心がけてください。私が施設見学に参加したときに他の参加者の質問を遮って重箱の隅をつつくような質問をしていた人がいましたが、受講日当日にその人はいませんでした。施設側としては学校運営上問題となる人には受講してほしくないのでしょう。当然です。

②応募書類を書く

 

ハローワークで応募書類を受け取り、必要事項を記入し応募することになります。志望理由の欄もあります。募集定員10名~15名に対してかなりの人数が応募するそうです。わたしが以前の日本語学校を退職しハローワークで雇用保険の申請をしたさいに、職員の方に「講座にかなりの人が応募しているんですが、実際日本語学校で就業はどうですか」といったことや面接の話など、なぜかわたしがいろいろと質問攻めにあってしまいました。職員の人も実物の日本語教師を目にするのははじめてなのでチャンスだと思ったのでしょう。少し話がそれてしまいましたが、要するに「応募者は多い」のです。ですから合格するためには「志望理由」が大切なのです。わたしは以下のことを志望理由に書きました。

①外国人学生へのボランティアをした経験がある(動機)
②日本語教師の賃金は安いといわれているが、一生続けていきたい仕事だ(業界分析)
③講座受講と並行して、日本語教育能力検定試験や日本語教師検定を受ける(計画性)
④最後まで講座を受講し、必ず就職するという意思(学校側へのアピール)

(動機)はいろいろあるかと思います。(業界分析)は賃金が安いけどこの仕事以外につく気はないといった意志を見せるだけでいいと思います。わたしが面接を受けたさい、「賃金やすけど大丈夫?いま独身でしょ?結婚しないの?この賃金でやっていける?」といったいまではセクハラといっても過言ではない質問をされました。面接のさいに「え!そうなんですか!?じゃあ、どうしよう……」なんて態度をとってしまっては、合格は難しいでしょうから、上の質問に答えられるようにしておきましょう。ここまで直接的ではなくても、オブラートに包んで「この賃金であなたの人生設計に差し支えはないのでしょうか」といわれるかもしれません。(計画性)(学校側へのアピール)とも関連するのですが、学校としては「最後ま講座を受講し、必ず就職する人」が欲しいのです。学校側は業務委託されているわけですからその業績を査定されます。学校側にとって途中で講座を辞める人がいたり、結局就職しない人がいないと困るのです。業績が悪くなると次回の業務委託がなくなってしまう可能性があるわけですから、この点はかなり厳しくチェックしてくると思います。志望理由を書くさいにはこの点に注意してくださいね。

③面接を受ける

面接を受けるさいも、上で書いた点に注意してください。そして注意する点は「①常識ある態度」と、「②素直に学びたいという態度」です。当然ですが社会人として常識ある服装を心がけてください。将来教員として働くわけですから、ジーパンやTシャツで面接を受けるようなことがないようにしてください。面接官は教務主任などである可能性も十分あります。「この人とは働けない」と思われないように注意してください。それから「素直さ」も重要です。「俺は部長やってたし、英語もペラペラだし、なんでもこなせるぜ」といった態度をとられると面接官はげんなりしてしまいます。これから指導する受講生に高慢な態度をとられつづけたら嫌ですよね。変にトラブルになって辞められても困るし、教員も人間ですから「素直な人」を指導したいですよね。とくに第二の人生を日本語教師に求めている年配の方はこの点に注意してください。日本語教師を採用するさいの面接でもこの点はよく言われます。「新人なのにプライドだけ高い扱いにくい人」ではなく、「素直で積極的に学習・吸収していく柔軟な人」といった印象を与えられるようにしましょう。

⑤合否結果

わたしの場合、合否は郵送で届きました。費用の内訳のリストなども添付されていました。これで一安心ですが、開校式などがいつあるのかなどきちんと確認してくださいね。

⑥受講開始

おめでとうございます。これから6か月の長いようであっという間の受講期間がはじまります。周りの受講生とチームを組み、ときには教師として、ときには学生役として教室で切磋琢磨していくのです。ぜひ他の受講生といい関係を築けるようにしたいですね。

求職者支援訓練制度をぜひ利用してください。

てんぷらせんせい
てんぷらせんせい

※次回は養成講座6か月の過ごし方について紹介したいと思います。

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